2009年12月 8日

操り三番叟(歌舞伎座12月公演)

 記憶が薄れないうちに観劇録。スケート観戦と平行して書いてると何がなんだか分からなく。
 グランプリファイナルにあわせて上京したので、開いている日にちは12月4日のみ。
 そのなかで、歌舞伎座昼公演には贔屓の勘太郎、染五郎が出るとあってホクホクです。
 操り三番叟は数年前に歌舞伎座で染五郎の「松寿操り三番叟」を見て以来非常に好きな演目。
 且つ、踊りのうまい勘太郎とあって、とても楽しみでした。
 ちなみに、購入した筋書きをチェックしたところ、私が見た操り三番叟は平成15年の演目だったっぽい。(調べたところ、2003年の「歌舞伎四百年三月大歌舞伎昼公演」でした)
 うわあ。
 その演目で染五郎ファンになったもので、楽しみでした。

(配役)
  三番叟  勘太郎
  後 見  松 也
  千 歳  鶴 松
   翁   獅 童

 千歳(せんざい)の舞は初々しい感じ。やや堅いものの、まあ若い役だし良いか。
 翁の舞は、...うーんイマイチ。
 かなり硬くて、私の席からは「震えている」ように見えました。動きが全然スムーズじゃない。
 イメージとしては、フリーハンドでまっすぐな線を引くはずが、出来上がってみたら波線になっているというかがたがたしている感じ。翁らしいタメも重みもなく、ちょっと残念。
 三番叟は、三番叟という舞を踊る人形を、後見が操るという趣向。
 最初に箱から出され、抱えられて舞台中央へ(実際は、後見が小脇に抱えたところを三番叟は膝を曲げずにすり足で歩き、足がだらんとぶら下がって床を擦っている感じ)。
 人形である三番叟のポーズを整えるために軽く持ち上げ、置き方を修正。そこでも後見と呼吸を合わせ、体重を感じさせない動きはさすが、秀逸。
 ただ、そこから先は、ちょっと息のあっていない感じがしました。
 伏せて周囲の見えないままの勘太郎は、後ろの音楽などをキイに合わせるしかないと思うのですが、それがあっていないので、うーん。後見があわせないといけないと思うのですが、...ちょっと経験が足りないのかなあ...。
 過去の公演と比べられるのが歌舞伎の良いところでもありますが、以前に見た三番叟があまりにもぴったり合いすぎていて鳥肌が立ったくらいなので、まだ開演して3日目の演目に期待しすぎたのかもしれません。
 勘太郎の動きは多少の粗もありながらすごく良かったし、後見も単独で動くところは丁寧でよかったので、後半の円熟味に期待、かなあ。といってももう1回見に行くことはできないんだけど。

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