2009年12月 8日

フィギュアスケートグランプリファイナル観戦(男子4~6位)


 ショートプログラムは北側から観戦。
 ジャッジサイドではなく、プログラムは裏になるのですが正面はテレビで見られるので(笑)、なかなか楽しく観戦。
 フリープログラムはジャッジサイド。
 2階のほぼ中央で、見やすく観戦しました。
 私の前列が6席幅広く人が来なかったので(笑)、とてもみやすく観戦しました。土曜のチケット取るの大変だったのでちょっと悲しい。

 さて、全般的な感想。
 全体的に仕上がってきたなという感じです。
 とんでもなく崩れた選手もいたし、ジュベールのように来たくても来られなかった選手もいますが概ねトップ選手の大集合という感じでした。
 後はクワドが少ないのが...。プルシェンコが帰ってきたことで、公式練習で跳ぶ選手は増えたようですが、試合となると...。
 今、試合でコンスタントに飛ぶ選手は、いずれも元世界王者のプルシェンコ、ジュベール、ランビエール。全員トリノを経験していて、オリンピックに向けた調整の仕方を知っているはずです。
 2シーズン続けてクワドなしの選手がワールドを勝ちましたが、オリンピックではそうはいかないと信じたい。

 選手ごとの感想。


トマシュ・ベルネル(チェコ)
 今日は、、、、ていうかショートもフリーも「彼の日」ではなかった...。
 ジュベールの怪我で急遽呼ばれたり、スケートアメリカ以降体調を崩していた(ていうかスケートアメリカも普通に滑れば間違いなかったのに体調不良で大コケしたし)という話もあり苦しかったと思うのですが、あああもう。
 ショートで4回転に挑んだのは彼だけです。
 フリーでは、冒頭の4回転がダブルにすっぽぬけたのを、根性で次のジャンプで4回転を跳んでリカバリし、一瞬期待させたものの、後半は2回転の連続。なぜなのベルネル。
 失敗を励ます拍手を一番貰ったのもたぶん彼でした。
 最後はバテバテで、明らかにどんよりしていたので、あーもう!という感じでした。

 高橋大輔(日本)
 ショートは、ああやっとノーミスの「eye」が見られた!と観劇。
 ちょっとスケートが滑りすぎて体が付いていっていない感じが遠くから見ていてもしたので(NHK杯の悪夢再びというか、ステップでこけそうで怖かった)かなり緊張しましたが、結果はかなりの点が出ました。
 ステップの上半身の動きなんかを見ていてもずば抜けているのは間違いないので、PCSが出るのはいいんだけど、ちょっとやりすぎ...。
 ショート第一滑走のベルネルが、とてもすべりの良い選手なのでPCSを多めに出してしまったため、全体的にインフレっぽくなってしまっていました(相対評価の怖いところ)。(そのせいか、フリーではベルネルのPCSはかなり抑え目に)
 帰ってテレビ観戦したときも結構ぐらぐらしていたので、インタビューでの「小さいミスはあったが」っていうのはそのとおりという感じ。ステップには加点3をつけているジャッジが複数いました。カナダでもそうなので(NHK杯ではこけたり躓いたりしたので)、やはりその部分の評価が高いです。
 ステップでは「タメ」が出来るようになっていて、怪我する前の派手な動きが戻ってきたようです。
 高橋選手は体が堅いので、普通の人がすっと足をあげられるところを、んよいしょっとあげなくてはならなくて、それが独特のテンポ、アクセントになっていたそうです。リハビリで力まずに動けるようになった分、そのタメがなくなってイマイチという意見も見たのですが、改めてそういったアクセントに力を向けるくらいの余裕が出てきたのかなと。

 フリーは、後からインタビューとかを見たところによると、4回転で回転不足コケ(想定内)の後、トリプルアクセルでのミスにちょっと動揺し(でもジャンプミスって高橋選手的には想定内だと思うんだけど)、最初のスピンでよろけたのが誤算だったそうで。最初のスピンのそのミスで頭が真っ白になり、どうしたらいいのか分からなくなったとのこと。
 スピンには、単一姿勢のスピン(シットスピン、レイバックスピン)のほかに、コンビネーションスピン(複数の姿勢を組み合わせるスピン)があり、さらに足換え(スピンの軸足を途中で換える)スピン、フライングスピン(スピンの入りでジャンプする)があります。
 で、一番レベルをとりやすく且つ時間を取られないのがシットスピンだったせいで、プログラム内のスピンを全部シットスピンにする選手が多発、それは見栄えがよくないと、2年前から、「1プログラム内のスピンは必ず違うものとすること」というルールが導入されました。
 高橋選手は、通常、最初のスピンはFCCsp(フライングチェンジフットキャメルスピン)なのですが、よろけて思わず半座りみたいな姿勢に。
 これを「シットポジション」とカウントされると「キャメルスピン」⇒「コンビネーションスピン」に変わってしまいます。かろうじて、コンビネーションスピンで必要な「2つの単一姿勢で2回転以上」をとり、スピンとしての要件は満たしたものの、ジャンプより複雑な構成のスピンをどう入れ替えたらいいのか、で頭が真っ白になったようです。
 2個目のスピンが1個目と同じFCCosp(フライングチェンジフットコンビネーションスピン)と判断され、ノーカウント。
 3個目のスピンはCCosp(チェンジフットコンビネーションスピン)、これは疲労のせいで軸を外し、回転を途中で止めてしまい、回転数不足(と報道では言われていますが詳細は不明。キャメルスピンは微妙に2回転未満ではあったけど)でスピンとしての要件を満たしていないので、「試みたと思われる要素」のCCospがプロトコルには書かれていますが、実際は認められないスピンとしてノーカウントになったようです。勿体無い。
 高橋選手ファンとしては、取りあえず最初のスピンが変な形でやめたので(たぶんやばいと思って混乱して回転を止めた様子)、もしかして怪我か!?と思い、さらにジャンプの失敗、スピンの回転の遅さなどから、ずーっと怪我かも、と思い続けてきたので、怪我でなかったというだけで安心です。
 ニュースとかでは「GPFで五輪内定をとろうとは思っていなかったと強がった」とかかれていたけれど、たぶんそれは真実で、強がっているわけではないでしょう。
 SPのとき、体自体が震えているのはTVだとはっきり分かったし、他の選手に比べて本当に「数倍」と言っていい感性を受けて、SPではありえないくらい高い点を貰い、プレッシャーにならなかったわけがないのです...。
 もし一連のスピンの失敗がなければ、10点近くは高くなっていたでしょうし、もっと点は出るはず。
 復帰以降、「完璧な演技」というのはなかなか出てこなくて、今回のGPFで「eye」(本人的には小さなミスがあったようですが)を見ることが出来たので、全日本で「道」、オリンピックでは完全版を見せて欲しいです。

 下は、各スピンの姿勢の写真が分かりやすく入っているウィキペディア。
スピン (フィギュアスケート)

 ジェレミー・アボット(アメリカ)
 今年度から佐藤有香コーチに師事。
 明らかに安定してきていますが、ショートが高橋の後だったせいもあり、空気に飲まれた感じでミス。
 フリーではクワドに挑み、どう見ても完全に回っていたのにコケ。身体を開くタイミングを間違えたんだろうけど...惜しい。
 元々、ショートのほうが良いプログラムなので、ショートでミスるとちょっとツライ。
 リンクサイドで、佐藤コーチが親指を立てて「ニヤリ」っていう感じで迎えてました。コケたけど、まとめてきたのはよしって感じ。でも私にはなぜかその笑顔が怖かった(笑)。

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