フィギュアスケートグランプリファイナル生観戦(ペア)
実質オリンピック前哨戦という感じの、ペア。
フリーは男女シングルフリープログラムの前で、空席が目立ったのが残念。
Pl Name Nation Points/ SP/ FS
1 Xue SHEN / Hongbo ZHAO CHN 214.25/ 1/ 1
2 Qing PANG / Jian TONG CHN 201.86 /4/ 2
3 Aliona SAVCHENKO / Robin SZOLKOWY GER 200.38 /2/ 4
4 Maria MUKHORTOVA / Maxim TRANKOV RUS 198.35 /3/ 3
5 Yuko KAVAGUTI / Alexander SMIRNOV RUS 183.01 /6/ 5
6 Dan ZHANG / Hao ZHANG CHN 180.25 /5/ 6
200点超え3人というちょっと大盤振る舞い系の点にはなりましたが、実力伯仲という感じでオリンピックに向けて仕上げてきたのを考えると、それもありかなと言う感じ。
ショートプログラムはTV観戦でしたが、ミスが少なく観戦し甲斐がありました。
ショートと言う密度の濃いプログラムの中で、上位陣にレベルの取りこぼしが多かったのは残念ですが...。
で、各組感想。
Xue SHEN / Hongbo ZHAO(中国)
帰ってきた!帰ってきたよ!
東京ワールドを最後に引退した二人がオリンピックに合わせて帰ってきました!
圧巻です。
プルシェンコ選手の復帰は「試運転」という感じでしたが、こちらは完全に100%です。
(怪我あけのプルシェンコ選手に対し、この二人はショーで滑っていたので少し状況は違うのですが)
6分間練習で滑っているときのスピードが全然違うし、スケーティングも重力を感じさせなくて「核が違う」という単語を使いたくなります。
ショートプログラムでは揃っていたサイドバイサイド(二人並んで)のスピンが、フリーではずれたりとちょっと残念なところはあったものの、圧倒的なオーラを感じました。
ツイストリフトやスロージャンプの安定感は抜群です。
PCS(演技点)での9点台連発(中には9.5点をつけたジャッジも)はちょっと出しすぎな気もしますが、個人的には納得でした。
Qing PANG / Jian TONG CHN(中国)
ショートプログラムではペアスピンコンビネーションが無効と判断され4位。
1位のペアに点数では差をつけられていますが、優勝してもおかしくない完成度の二人。
特にツイストリフトの美しさは秀逸で、SHEN / ZHAO組が引退した後は中国ペアを引っ張ってきたし、トリノ以降モチベーションを切らさずに戦い続けてきたのは凄い。
ロシア杯だったかな、成長がよくわからないと感想を書いてしまったのだけれど、やっぱり完成度が高過ぎて、どこが成長したのかはよく分からないと思う。
フリープログラムでの1位との点差は、実質演技点の差で、そこまで差がつくのかなと少し思いつつも、リンクを支配する空気感とか、そういうのを考えると、多少は納得してしまうのです。
Aliona SAVCHENKO / Robin SZOLKOWY(ドイツ)
うーん、プログラムでこうまで変わるかという感じ。
ショートプログラムの道化はメイクも含めて観客受けが良かったのようでした。
このペアは試合ごとに明らかに波があって、たぶん東京ワールドの年のフリーが素晴らしく、ユーロ選手権では完璧な演技をこなして優勝。テレビで見ていて鳥肌が立ったものです。
それが、ワールドではイマイチピリッとせず...だったので、波があるなあと。
今回はそれ以前に、フリーでのミスが多すぎました。
SAVCHENKO選手の調子が明らかに悪く、残念な出来に。
本人達も不本意そうでした。
優雅なプログラムなので、本人達の要素の完成度がないと、プログラムに負けてしまう感じがします。
Maria MUKHORTOVA / Maxim TRANKOV組(ロシア)
ショートで3位につけたMaria MUKHORTOVA / Maxim TRANKOV組は、レベルの取りこぼしがなくまとめてきたので、点数も付いてきたという感じでしょうか。
フリーでは貫禄のAliona SAVCHENKO / Robin SZOLKOWY組に逃げ切られましたが、それは演技力の差も大きそうです。
見た後の印象がとても薄味なのです。
印象派のごとく(笑)美しい色味で優雅な絵にも関わらず、全体の印象しか覚えてなくて、細かいところが思い出せないと言う感じ。
どこが良かった?と聞かれて戸惑う感じかしら。
Yuko KAVAGUTI / Alexander SMIRNOV(ロシア)
うーん、連続でグランプリファイナルに出場してくるようになって、すごく点が伸びてきて楽しみな感じだったのですが。
ショートでは動きが良かったように思ったのですが、かえって荒さが目立ち、点が伸びず。
フリーはまとめてきたものの、ミスもあり、残念な出来。
どうもこのペアは大味な感じがします。
Qing PANG / Jian TONG組と比べて育った!と感動したはずが、今大会では逆に。
出だしがよくて今は下降線、というのは気になるところです。
ワールドでメダルまで取っているのですが(まあ、この大会の6組はワールドや五輪でのメダル組ばかりですが)、なかなかうまくいきませんね。
Maria MUKHORTOVA / Maxim TRANKOVにも、ショートでもフリーでも負けており、またPCSですら差をつけられているのは気になるところです。
川口選手が肩を脱臼したという話もあるので、もしかしたらそれが不調の原因なのかもしれません。
Dan ZHANG / Hao ZHANG(中国)
なんだか不調ですね。
ここ2年、苦しい演技が続いています。
トリノでまさかの銀メダルを取り、これからの中国の一番手はこのペアか!と思わせたのもつかの間、絶不調です。
全般的に精細のない演技、フリーでは終了後、ペアの二人が目もあわせず組んでいた手をぱっと話してしまうところがあり、フィジカルというよりメンタル的なトラブルを抱えているのではと思わせられます。
Xue SHEN / Hongbo ZHAO組は出てきたころは、まったく演技力を認められなかったそう。
それが円熟味を増し、今の評価につながっているので、このペアも頑張ってほしい!
テクニカルの面では随一だし、要素点自体はまちがいなくトップクラスなので!
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