2008年08月14日

●体操男子 個人総合

 ええ、生で見ましたとも。
 すてきなNHK。
 信じていたNHKに裏切られ、途中からの放送ですよ。

 そして、映像が現地に切り替わった瞬間の冨田選手の落下…。
 信じられませんでした。
 でも、落下の後演技が続けられたので良かった…。
 詳細は不明ですが、解説の小西さんによるとまず演技の中盤での振動技(吊り輪の紐がガチャガチャなるあれです)のところでミスが出て、どうも左肩がおかしかったとのこと。
 そして、最後の下り技のところでも左肩の動きがおかしく、左手が滑っていたようです。
 ありえない落ち方で、今まで散々見てきて、吊り輪でああいう風に落ちているのは初めてでした。
 完全に滑った感じで、なので肩か腕に負傷があり、力が入らなくなったのかと思ったのです。

 まだ3種目めで、残りが跳馬、平行棒、鉄棒とあり、大丈夫かなと思ったのですが、何とか続けられて良かったです。
 ほんとに、棄権するかと思いました(というか、負傷したのなら今後のために棄権してほしかった)。
 その後は、とても綺麗に(若干ふらつきがあって怖かったのですが)演技をまとめていたので、とりあえず故障はない様子、よかったです。


 内村選手はあん馬が鬼門。
 予選であん馬から落下してしまい、なんとなくそれを引きずっているようにも思えたのですが(決勝の演技者からは外れていたので、その恐怖から逃れたか心配していましたが)、なんともいやな感じに的中してしまいました。
 なんと、2回の落下。
 あん馬はほんとに点のつけ方が理解できないのですが、バランスを崩して落ちたのではなく、自分から下りたので傷が少なかったのでしょうか、2回下りた割には点が出ていました。(といっても13.275、十分低いですが)
 NHKが当初放送してくれなかった内村選手の床も、後から見られました。その日の演技者の中で最高得点を出しただけあって、すばらしかったです。
 もともと、あん馬がそれほど得意な選手ではないので、あん馬で成功していても楊選手との差およそ3点は埋まらなかったと思いますが(あん馬のこの日の最高得点は15.7)、個人総合銀メダルの肩書きとともに繰り返しリプレイされる、すねた子供のような表情で演技するあん馬は気の毒でもあります…。
(ほんとに、子供が嫌いなものをいやいやさせられている表情そのままって感じです・笑)
 まだ19歳で肩が出来上がっていないので、吊り輪の筋力系を苦手にしているようですが、着実に鍛えていってほしいです。4年後でも23歳ですから!

 各種目の採点が下記アドレスで見られます。
 こういうとき、とことん強いのがアメリカのサイト。
 オンラインリザルトがいつでも充実しています。
 これくらいのこと、アメリカのテレビ局ができるんだから日本でもできるはず。
 変な記事やコラムにばかり力を注いでいないで、やることやってほしいと思ってしまいます。

 http://www.nbcolympics.com/gymnastics/resultsandschedules/rsc=GAM024000/standings_allaround.html

 予選から一通り見られますが、やはり予選と団体決勝では、冨田選手の採点は厳しいように感じました。
 圧倒的な地元優位にあり、しかも、冨田選手自身の演技もいつもどおりとはいかない若干のふらつきがある中で、さらに厳しい採点をされたのは、不運だったと思います。
 特に予選での得意の吊り輪での厳しい採点(静止時間不足でA得点0.4のマイナスに加えて、B得点が8点台!)については、うーん、さすがに中国の選手に甘すぎるんでは、と思ってしまいました。
 そのせいで、団体決勝の吊り輪には迷いが出ていたように思いますし、偶然とはいえ個人総合では落下してしまいましたので…。
 冨田選手の吊り輪のA得点が6.6というのを考えると、13.850がいかに驚異的な数字かがわかります…。普段16点に限りなく近い点を出しているので、2点近くの損でした。失敗したので、採点の辛い甘いは関係ないですし、わりと個人総合は公平な点だったと思います。
 前回の世界選手権、富田選手は最後の鉄棒で2回落下したのですが(あれも見ていて泣きそうになった)、楊選手も実は1回か2回落ちています…。実は鉄棒はウィークポイントで、しかも世界選手権で落ちているのでトラウマになっているっぽいです。(それでも、そのときの世界選手権でも優勝したんだけど!)
 だからこそ、吊り輪のマイナス2点さえなければ、ものすごーく楊選手にプレッシャーをかけられて、あわや、があったんじゃないかなあと思ってしまったのです。
 3位とは0.1点足らずの差、銀の内村選手とも0.2点の差です。
(得意種目の落下と、不得意種目の落下のダメージの差を考えたら…)

 まあ、でも、冨田選手の順位も、上位選手が失敗したためという側面もあるのでなんともいえません。
 ああ、絶対抜かれる…と思っていたドイツのハンビュヘン選手が鉄棒から落ちたし…あれも悲鳴を上げてしまいました。鉄棒大得意の選手なのに…。

 今回の北京、みんなありえない失敗や落下が多すぎます。
 その中で、大きなミスなく(ミスといえば鉄棒くらい?)やり遂げた楊選手、どんだけ自信満々で点数出る前から観客あおりまくって憎たらしくっても(笑)、すばらしかったです。
 一生懸命点の確認をして、100%優勝が決まっているうえに、もはや個別競技の点は予選と違ってどこにも影響をもたらさないというのに、がんばった審判団も素敵でした。(それで14点台…何気にしまらない点で終わってしまったが…)

 あとは種目別。
 総合には出られなかったスペシャリストが出てくるので、一概には言えませんが、
今日の演技で「床1位の内村選手」「鉄棒1位の冨田選手」それぞれ頑張ってほしいです。
 ああ、決勝で鹿島選手のショーン(あん馬の技)が見たかったです…。
 あん馬は中国の選手が1人抜けているだけなので、十分にメダル圏内だったと思うのですが…団体決勝でも安全策でショーンは見られなかったので…うう。

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