2006年10月 6日

●ススメ!石けん生活

 しゃぼん玉石けんの社長さんの監修ということで手にとって見ました。
 実は、しゃぼん玉石けんはあまりにも身近すぎて、地元企業だということを全然知りませんでした…。
 TVCMも普通にやってるし、全国区の企業だと思っていたのです(苦笑)。
 いや、今では全国区の会社ですよ! たぶん、インターネットの効果も大きいんだろうなあ。この会社については、口コミに勝るCMは無いと思う。

 さて、本についてですが、監修となっていますが、内容としては90%がしゃぼん玉石けんのお話のような気がします。
(純石鹸の代表として製品の写真がいろいろ使われているからでしょうけれど。効果的な感じにさすが幻冬社、と思わず感心)

 昔、博覧祭というイベントがあったときにしゃぼん玉石けんのパビリオンに入ったのですが、来ている服って本当にブラックライトで光るんですよね。
 わたしは実はそれまで、ブラックライトは白いものを光らせる特殊なライトだと信じてました(笑)。なので、白いのに光らないものに疑問を感じていました。実は、服にしみこんだ蛍光塗料が光っていたんですねえ。
 ちなみにパビリオンにいた人のワイシャツは光りませんでした。
 確かにやや生成りっぽい色合いには見えましたけど、清潔感の無い色ではなかったので、言われなくちゃ気にならない感じでした。

 本としては、「なぜ純石けんが良いのか」「合成石けんがよくないのか」を、表紙絵でもわかるとおりかわいいイラストで描かれた漫画と、わりと大き目の文字で綴られた見開き2ページくらいの文章で説明されています。
 純石けんは食べても身体に影響が無いとか。
 そういえば、石けんって昔はねずみがかじったとか、ゴキブリがかじったとかよく言いましたよね。
 でも、台所用液体洗剤をかけると、ゴキブリは死ぬんですよね…。殺虫剤より安全でお手軽、といいますけどよく考えたらとても怖くないですか…。
 そんな話がわかりやすく描いてあります。
 内容は、日ごろからしゃぼん玉石けんを知っている人には、新鮮味は少ないですが、そうでない人には多分、目からウロコ。
 この本を読むと、しゃぼん玉石けんの製品を買いたくなります(笑)。
 思わず買って帰ってしまいました。(地元なのでわりと普通にスーパーに売ってる)
 EM洗顔石けん。
 確かに洗いあがりに突っ張らないです。欠点??は、身体にやさしいを追求するために香料とか完全無添加なので、非常に石けんくさい。なんていうのかな、脂って感じのニオイです。軟膏とか??
 香料になれた人にはちょっと…かもしれません。


EM洗顔石けん

2006年9月29日

●平野遼-青春の闇~平野清子聞書

 この本を、勧められて読みました。
 平野遼という画家は、以前行った「街じゅうアート」で初めて作品を見たのですが、ずいぶん動きのある絵を描く方だなと思ったのですが(動きを感じさせるというか)、本領は抽象画だったとのこと。
 抽象画は、確かに難解でした……。

 このお話は、亡き夫・平野遼のことを、平野清子さんが語り、著者が補足をつけていくという形で進められたものだそうです。おそらく、清子さんの語りを最大限生かそうとしたのでしょう。文中に同じエピソードが数回出てきます。
 そうは言っても、それだけ、平野夫人の中でそのエピソードが大きかったことを示しているともいえると思います。  
 戦後、あらゆる人たちが苦しんだ時代、例に漏れず…いや、それよりもひときわ苦しい生活を送った平野遼画伯は、それでも絵を描くということしか頭になく、絵を描くことで生活していました。
 そして、理解ある人に恵まれ、苦しいながらもお互いに助け合うような、そんな空気が漂っていた当時の北九州だからこそ、過ごせたのかもしれないと思う時間が、確かにそこに刻まれていました。

 普段は寡黙な平野氏が、一晩の生活費を稼ぐために編み出した方法は、似顔絵描き。
 抽象画を本領とする画伯が、そういう似顔絵を描くことについてどのような感覚を持っていたのか、それは妻である清子夫人にもわからなかったようです。
 けれども、20分といった恐るべき速さで作品を仕上げ、相手を納得させるほどの力を持つ似顔絵を披露し、そしてお金に変える。それは画家としての能力を磨く場でしかありえない。
 寡黙な画伯が、似顔絵を描くとき、そして代金を貰うときは驚くほど愛想がよかったといいます。そこは、彼の画家としての自負が、作品を認めさせたかったのか…無愛想で失うものについて、きっと知っていたのでしょう。

 芸術家とはかくあるべき、そう感じさせる本です。

 そして、平野遼の作品を、見たくなる本です。
 平野氏の作品は、北九州市立美術館にかなりの数を寄贈されたと聞きます。
 近々展示する企画など、ないのかなあ。