2008年08月14日

●体操男子!まさかの!!

 うわああん、体操が大変なことに!

 オリンピックは、普段放送されない競技を見るにはもってこいです。

 体操は、NHK杯があるのである程度は放送されますが(NHK杯があるということは、必ずNHKが放送してくれるということですね。ほかの民放局は主催イベントと放送を切り離していることが多いのですが、さすがNHK)、それでもオリンピックは注目度が段違いです。

 ちなみに体操好きで、CATVでやっている体操ワールドカップ(←バレーやサッカーと違って、スキーのように世界各地を転戦?する大会の中からエントリーして、上位者のみが2年に一回の決勝に進めるという謎の大会。フィギュアのグランプリシリーズみたいなものかなあ。世界選手権との格の違いを持たせようとしているのかもしれません)なんて、有力選手はほとんど出てこないのですが、延々とマイナーな選手の演技を見てしまうほど好きです。

 それはともかく。

 

今回、日本が連覇の期待を背負って北京に旅立たされたのは気の毒としか言いようがないくらい、中国との差は大きかったです。
 ニュースで見ましたが、日本はきれいな体操を求める傾向が強く、国内大会では難度(A得点)よりも実施(B得点)を重視しているようです。
 実施点のマイナスのつけ方にはあまり規定がなく(いってしまえば昔の10点満点方式の部分だから)、下げ幅を大きくすることは可能。下げ幅が大きくても、大会全体の均一性が保たれていれば、誰も文句は言いません。
 となると、世界大会に出るためには国内選手権を勝ち抜く必要があるわけで、まずは「日本基準」の実施の部分を強化し、A得点はそこそこで、という発想になっちゃうんですよね。
 さまざまなミスはありましたが、オリンピックでの日本選手の得点を比べてみても、全体順位の中で誰もが、「そこそこの順位」にはいるのです。むしろ上位に入ってきているので、それを考えると選手が国内選手権を勝ち抜くのがどれだけ大変かわかるかと。
 柔道と一緒ですね(今回は柔道は振るいませんが…)。

 A得点をあげることにより、代表を逃すリスクが高まるのだとしたら、誰でも無難にまとめてくるのではないかと。
 特に、日本の選考は、まず総合得点でトップ3人を選出。(=結果、オリンピック予選でもこの3人が個人総合に出られるよう、6種目全部に出場しました。ある意味とてもクリーンな選考)
 残りの3人は、総合得点をベースに、強化項目(確か、床とあん馬だったと思う)の選考会の順位が高い選手にボーナス点を加えて選出。
 これで、選考会の最後の種目:鉄棒で落下し、総合得点では当初圏外(7位以下)まで落ちた鹿島選手は救済、床の得意な沖口選手も選出という運びになったのです。
(細かい順位の動きまでは、なにしろ5月のことなので忘れました…)

 とりあえず、オリンピック代表選出が恐ろしくスムーズに、かつ私情をほとんど挟まずにあっという間に出たところで、毎度ぐだぐだな某フィギュアスケート協会や、謎の実績重視の某柔道連盟とは違うなあと感心しました。
 世界選手権時には「オリンピック代表選出へのインセンティブを考える」とか水鳥選手へリップサービスしまくっていたくせに、さらっと忘れてくれたのも何のそのです(苦笑)。
 まあ、でも水鳥選手は第2次選考会での怪我があったので、インセンティブを貰っていても出場は苦しかったかもしれません(たとえ最終選考~本番まで3ヶ月あっても…)

 でも、この私情を挟まない選考には、マイナスとプラスの両面があり、
 強化項目でボーナスを入れたとしても、大前提として総合得点がある程度稼げる選手でないといけないため、真の意味でのスペシャリストの登場はとても難しいです。
 中国は、一部の種目だけの出場で図抜けた得点をとるような選手がいました。6-5-4(6人連れてって5人演技して4人の得点をとる)でも、6-3-3(6人連れてって3人演技して3人の得点をとる)でも必ずフリーの演技をしない人がいるわけで、多少はその作戦を生かすというのもありなんじゃないかなあと思います。
 ただし、そうなるとどの種目だけスペシャリストを採用するのか…という問題は出てきますが…。個人総合もあるし、1個だけうまい人を採用できる枠というのがないといえばないのですが…。
 ただし、今回のように、沖口選手の負傷で、アテにしていたスペシャリストが使えない自体も考えられます。
 中瀬選手と鹿島選手のフォローは抜群でした。ここは、総合得点のベースが高い人を連れていった強みですね。<なんとかフォローできる。

 それにしても、銀メダル。
 良かったです。

 ぜったいに、
 なにがあっても、
 ミスができなくて、

 失敗したら、
 他の選手のがんばりも
 無駄になる

 という重圧に耐えられた選手たちはすばらしいです。


 連覇をかけてという重圧は、おもにベテラン二人が被ったように感じました。
(明らかに動きが硬かったので…。あの冨田選手の抜群の安定感は涙が出そうでしたが、それでもふらつきや危ない部分がありましたし)
 ほかの人が被っていないというよりは、大学生二人は若さで乗り切り、残りの二人は…うーんどうだろう。やはり先輩についていけば大丈夫という無心の演技に見えました。
 生で見ていたのですが、ネットでちらりとみた書き込みによると、某局で「連覇逃す」というテロップが出たのだとか。出演者の人が「なんで銀メダルおめでとうと書けないんだ」と憤慨したそうです。
 そのとおりです。というかそうやってまっとうに怒ってくれる人がいて嬉しいなと思いました。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://tra.cside.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/659

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)