2006年09月05日

●中村勘三郎襲名披露in北九州

 行ってきました。
 超微妙な時間設定、夜の部。
 確かに博多座とかでは4時からだったりするけども…地方巡業で5時開演はひどいと思う…。
 まあ、お陰で、リバーウォークのお店が閉まる前に終了したので、売り上げに貢献したのかな。(笑)

 夜の部は、口上+義経千本桜。
 昼と夜と演目が違うので悩んだのですが、うー、時間の都合がつきそうな夜しかとれませんでした。5時開演なら、終業時間ぎりぎりまで働いて駆け込みもできますしね。

 さて、当日残念なお知らせが。
 中村勘太郎さんが怪我のため、休演。
(ちなみに私はネットで知りましたが、大部分は入口前の貼り紙で知った模様。場所がないのはわかるけど、入場ゲート真ん前に貼り出してあるので、入場のお客が立ち止まって大混雑。ちょっと迷惑な状態に。うーん、いつも思うんだけど、あそこはなんだかいろんな名札ぶら下げたスーツの偉そうなおっちゃんが入口付近で偉そうにうろうろと行き先塞いでるんだけど、そういう手配とかしないのかね…。スーツのおっちゃんに迎えられることにステイタスは感じないので、邪魔だからどいて欲しいなあ。何気なく、劇場の入口近くの動線ってあまり考えられてない)
 私は今、中村座の中で一番勘太郎さんが好きなのでちょっとショック。
 生で見たのは1度きりだけど、なんとなく正統派で伸びてきそうな気がするんですもの。
(勘三郎丈はすごいと思うけど、ちょっと崩しすぎを感じるときもあるので)

 口上のとき、勘三郎さんから、代役は七之助さん(2男)がすることの報告がありました。
 6月の博多座襲名披露公演での怪我のせいで手術をして、歩ける程度までは回復しているものの正座はまだ無理なんだとか。
 11月の話ですが、勘太郎・七之助メインの巡業があるっぽいので、それまでには治して欲しいです。大丈夫なのかなあ(よりにもよって、その演目に柔軟性を駆使して踊る「棒しばり」があったりする)。

 さて、感想。
 基本的に、ソツのない舞台でした。歌舞伎に行くのはそういう安心感を求めていたりする。
 中村座の舞台だから間違いないと思っていたのも、そのとおりで、じっくり芝居が見られました。
 難をつけるなら、七之助さんの「小金吾」。
 代役な上に殺陣があるので、非常に難しかったと思うのですが、殺陣が軽いんだもの。
 台詞回しが軽めなのは、ある意味お坊ちゃん侍的で(いや、討ち死にする精悍な役なのですが、元は平家の残党なのでそれもありと思う)、自分の特性を生かしていた気もするのだけれど。
 殺陣がなあ。踏み込みが軽い、確かに刃は噛み合わせないのが歌舞伎の殺陣だけれど、間合いが遠すぎて臨場感がない。
 挙句に、「その他大勢」の方々との殺陣では特に、合ってない。合わせる時間がなかったのかな。
 1対1の殺陣はまだ良かったので、そちらを集中的にやったのかも。
 昔、何かのインタビューで七之助さんは立ち役(男役)、勘太郎さんはどちらもできるようにしたいっていうのを読んだのですが、今はどうなんでしょう。
 同じやせっぷりでも、染五郎(贔屓なんですすみません)さんはもっと力強い感じがするので、やはり女形中心で行くのかなー。ちなみに、後半から登場した「おさと」(本来七之助さんに振られていた役)はとてもよかったと思います。

 地方巡業だというのに客席のおしゃべりも少なく、いい気持ちで見ていたら、最後の最後で携帯鳴らした馬鹿(しかもひとりはなんと、通話していたらしい!!)がふたりいましたけどね…。

 あとは、歌舞伎にあるまじき?カーテンコールもありました。
 歌舞伎になれてるお客さんって、基本的にカーテンコールなんてないものだって知ってるから、思う存分拍手したらさっさと席を立ってしまったのですが、出て行こうと背中を向けている人多数の中、さあっと幕が開いたという。(笑)
 ちょっとびっくりしました。そういえば、なんかニューヨーク公演とかでもカーテンコールやってるの見たなあ。個人的に、要注意(カーテンコールをやってくれるといういい意味で)なのは、中村屋と玉三郎さんになりました(笑)。

 あとは、ちょっと愚痴ですが(苦笑)、博多座って、1ヶ月回しの公演をやるからいったときにチラシ置き場でその公演のチラシが手に入るんですよね。そしたら、超簡単なあらすじが書いてあるという。
 昔聞いたところによると、1回公演とかで、その回のチラシを余らせてることは「恥」なんだそうです。
 (枚数読み違えとかの営業的な恥???)
 でもでもでもー、歌舞伎のように筋立てが複雑なものは、ぷちあらすじを知ってないと、内容が非常にわかりにくい…。(「知ってる」前提で、長い話の一部を切り出してますからねえ)
 地方巡業はイヤホンガイド有料だし。いや、歌舞伎座はもっと高いけどね。(地方600円、歌舞伎座800円だったと思う)
 地方公演は基本的にわりと理解しやすい演目をやると言う認識もあるので、できればそういうのにお金を掛けたくない(苦笑)。釣り書きもふだんは買うのですが、実は義経千本桜という演目があまり好きでないので買いませんでした…。
 なので、わがままにすぎないんだけど! せめて、ウエブサイトにあらすじアップするとか、できないのかなあ。チラシを隅っこにでも置いてくれるとか、よく狂言ではやってくれるんだけどA5両面くらいのあらすじ+解説を全員に。…まあ、それはね、販売物があるのでいいんですけど。
 ちなみに、最初は口上だったので問題なかったですが、義経千本桜の2幕が難解すぎたらしく(時代背景がわからないとなんで小金吾+キレイなお二人が追われてるかとかわかるまい)、休憩時間に慌ててイヤホンガイドに走る姿が。少しでも筋立て知ってれば、後半はそこそこ理解できたと思うんだけど…。むむ。
 時間設定も、決まっていれば、数日前でもアップしてくれたらいいのにといつも思う。
 たとえば歌舞伎座はきちんとアップしてあるので、この部分から中に入ろうとか思いますもの。あとはこの話は諦めようとか。(飛行機の関係もあるし)
 松竹が絡んでいるんだから、できそうなものなんだけどなー。
 歌舞伎については特に、いつも思います。(できてから毎年行ってるし)

 ちなみに、今回の話「すし屋の場」で権太の女房子供は死に損か!と思う微妙な終わり方だったと思うのは私だけかしら…。惟盛さんが女房子供を捨てて(?)仮祝言あげようとしたりしなければ済んだ話では…。そして、アンタ(惟盛)は出家して終わりかい!みたいな…。
 源平合戦に絡む話って、大体後味はあんまり良くないので好きじゃないのです…。
 なにげに、仕えるのは臣下で、ボンボンは「忠節大儀であった!」とかいうパターンとか、けっこう皮肉ってますよね江戸時代のかたがたは(苦笑)。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://tra.cside.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/112

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)