2006年05月02日

●COME!


松本 タカ, 日高 トミ子
COME!  全4巻

これ、「コメ!」と読みます(笑)。なんと稲作のお話。
主人公は、青森出身の大学生「武藤恵」。実家は稲作農家。上京してきた学生がよくやるように、羽目を外したりもするのですが、実家があまり裕福でないことを理解しているので、バイトで生活費を稼いでいます。

で、ある日出かけたコンパで、田舎の祭でやる豊作おどりの話をして、すごく馬鹿にされるのですが、そんななか笑わなかったのが、クラブで働いていた美女「こまち」。
彼女は秋田出身で、「秋田小町」(コメの種類)に引っ掛けて決めた源氏名だった。
最初は、こまちに良いように「客」として扱われるが、主人公の父親が倒れて実家に帰ることになったときから状況が一変。

こまちの夢は、手放してしまった実家の田んぼを買い戻して元通り稲作をすること。それを目指して働いていたあたり、金銭感覚もかなりシビア。読者には想像のつかないような商法を考えていたりします。

主人公の実家は「やませ」といわれる季節風の吹く村で、一定でない気候に悩まされ続けています。そして今年は冷害の年…。こまちはそれを見て、「将来の参考に」とあっさり主人公の家で修業しようと決めてしまうのでした。

さて、いまいちマイナーな主人公の実家。コメをブランド名で買う人、産地で買う人、いろいろいますがそのどちらにも向いてもらえない地域にあります。天災に振り回されることなく生き延びるにはどうするか、それを考えて無農薬栽培という「ブランド」に目をつける主人公たち。
無農薬栽培をしようとしても、隣の田んぼで農薬をまかれては意味がないし、万一、無農薬のために虫が発生して周りを巻き込んではたまらないので、田んぼ探しをし、普通は種籾の段階から一度消毒してしまうらしいのですが、それをしていない種籾を捜し、ひとつずつですが進んでいきます。

ただ、3巻の後半くらいからちょっと急展開になっていて、ああコレも打ち切られたんかなーというイメージは拭えません…。話としては綺麗にまとまっているんだけど、膨らませられるところをちょとはしょってたりとか。

ちょっとネタバレになりますけど、無農薬稲作が1年でできると思えないんですよねえ…。1年で、大成功とはいえないまでもそこそこ実ったということなんですが…。そこがちょっとうそ臭くて…。途中までは結構くわしくて、いいかも!と思えていただけに残念。
オチは大団円ですし、展開もメリハリがあるので読んでいて飽きはきません。
うーん、もう1~2年分とか見たかったのかな自分が。だからぷっつり感を感じてしまうのかもしれませんです。

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