2006年01月09日

●古畑任三郎 3連続シリーズその3(松嶋奈々子編)

 うーんうーんの第3夜。
 ファンの方ゴメンナサイ。私にはどうして彼女がオオトリなのかが理解できません……。

 今回は、とにかくトリックが陳腐。なんだろう、マツシマナナコのために書いたのかしら。2面性めいたところを表現したかったのかな。

 明るい性格の妹と、おとなしく引っ込み思案の姉。
 二人でトリックと本編とで手分けをして書いているシナリオライター。
 うーん、某作家さんを思い出すんだけどな。そしてトリックを書いているほうではなく、定められたストーリーにしたがって書いているほうが、独立しようと思い立つところも。
 いや、あちらはもっと深遠な理由があったので単純に比べるのは失礼なんだけども、ちょっと微妙な気分になった題材なのは事実。

 美人姉妹、マツシマナナコの2役。
 なんか、変に声が高くて投げるみたいな物言いするなあとおもってたら、その後で引っ込み思案の姉を演じるからだったのね。落差はとてもうまかったし、その後、妹に成りすました姉のときも頑張ってはいたんだけど、あんまりよくわかんなかったな。ボロを出すシーンを絞って(少なく)していたかもしれないけれど、スケジュール帳だけでその日のスケジュールを理解できるとは思えないんだよね…だからその辺の動揺も入れて欲しかったな。これもわりと時間運びが緩かったことだし…。

 これもスタート後30分から見たので、ちょっと見落としはあるかもしれないけれども、30分たっても本編入ってないし、挙句に古畑警部補の最初の引っかかりはコレってのもわかった(妹が勧めたコートを古畑氏が着ていたのに、妹に成り代わった姉は気づかなかったのだ)し、やっぱりたる~~な話運びでした。
 大トリこれかよう、みたいな落胆も感じつつ。
 だって、その前って山口智子だったり、演技力も中身も抜群だったんだもん…。

 では。
 ツッコミどころその1。
 至近距離(こめかみを自分で打ち抜くくらい)で打った銃痕と、遠く(2mくらいはなれてたかな)から打った痕は違うと思う。
 そして、殺人かもと思ったらそのまま周囲の人間の硝煙反応を調べると思うんですが。

 ツッコミどころその2。
 いつも一緒に行動していたならともかく、引きこもりがちの姉が妹の交友関係を知っているはずも、途中まで進んでいたりした打ち合わせなんかの経緯もわかるはずないんだから、そもそも入れ替わって「妹の世界」で生きていくのは不可能だろう。(これが、なりすまして2~3年海外にでも行っていれば別。まだごまかせるかもしれないけど)

 ツッコミどころその3。
 推理の最後の決め手は、「このトリックを完成させるためには、生体認証(静脈)の必要な正面玄関を通るしかない」ってところだったのですが…。こういうのって逆に、ログとってるんじゃないのかな。通話記録調べるのと同じくらい簡単に見られるでしょう…。そう思ったのは私だけですか。

 あとは、妹の乗ってきた車の処理とか。姉は免許持ってないので動かせないんだよね。途中でタクシー呼んだのも、あとから古畑さんに突っ込まれたんだけれども……あれをどうするつもりだったのか…。
 化粧品も、買ったのを秘書役?の女性に見られてるくせに、持ち去ってみたりする。却って不自然だよ…。
 計画的殺人に見せかけて、全然計画的じゃない。

 これが、「トリックを担当していなかったほう」の姉が計画した殺人だから、というオチで考えたんだとしたら三谷さんは天才的です(笑)。


 さて、最後に、上の方で思わしげに触れた作家さんの、自伝を。
 いま現在も作家として活躍されているほうの、井上夢人さんの書かれた本。もしかしたら、もう店頭では手に入りにくいかもしれません(私は2年くらい新書・古本問わず探してました…)。


井上 夢人

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