2006年01月09日

●あらしのよるに

 見に行ってきました。
 元が絵本のためもあって、親子連れメイン。
 後ろががきんちょ二人(その隣の隣にご両親が。端っこの席しか取れなかったんだけど、そういう時は親ではさんで座ってくれよう)だったので、悪い予感はしていたのですが、上演中、何度も椅子けられました。ぽこぽこと。
 まあ、やぎだーとか、あれはねえ、とかの解説もね、子供ですからね。ええ(遠い目)。
 でもこういうときに、静かすることを教え込まなきゃいかんと思うですよ…。

 さて、内容ですが。
 私は原作を読んでいないので、うーん、ちょっとはしょった感があったのですが…どうなんでしょう。
 昔、ある方に絵本の読み聞かせについて教えていただいたとき、読み聞かせは1行ずつのあいだの「間」と、それに加えてページをゆっくりとめくるときのわくわく感がいいんだよ、とおっしゃっていたのですね。
 絵で全体を見て、推理してから文章に入る。
 アニメになると、その点が自由にできない。
 小説や漫画のアニメ化とそこが違うところなのかな。
 加えて、全6巻で起承転結があるから、話の切れ間がきっちりしている。
 なんとなく、集中力が途切れてしまいます(子供のようですが)。
 そのあたりがもったいないなと感じたところ。

 登場キャラについては、声優さん…メインの二人は良かったと思います。
 だけど、脇キャラがなあ…。
 オープニングで、TBSピクチャーズとかなんとか出ていたので、TBSに映画部門があったっけ?と思っていたら、TBSの後援で作ったんですね。他人事ですが、将来TV放映するときはどうするんでしょうねえ…TBSって映画枠持ってなかったと思うのですが(苦笑)。
 私は映画はラストまで見るほうなので、じっと見ていたら、TBSキャスターの名前がずらり。
 アナウンサーさんが結構たくさん、声を当てられていたようで。
 たしかに、基本的には二人の世界だし、メインサブの声は役者さんが当てていたのですけど。ちょっとケチってる??て感じがもったいない…。

 あとは、たぶん原作に忠実なのでしょうストーリーに、私自身がついていけない部分があって(いきなり川にとびこむところとか、どう見ても備えなくいきなり冬山に登るところとか。あと、しつこすぎる狼とか・笑)、うーん、絵はかわいいのだけれど、一度原作のほうを読んでおきたいなあと思ったのでした。
 アレだね、きっとハリポタの原作未読の方は同じようなジレンマを抱えていると思うね。…たぶん。
 ダイジェスト版としてみると、まあ秀逸、みたいな。

 さてはて、批評めいたことを。
 映画では、私はメイってなんとも言えずやなやつだと思ってしまうんですけど、実際はどうなのかなあ。難しいとは思うんだけど、草食といえども草の命を絶っているっていうことに彼は思い当たらない。
 そして、友情を結んでいるとはいえ、ガブの抱く、捕食する側の苦しみを知ろうとはしないように思えてしまいます。
 ガブが昼のお弁当落として悲しんでる横で「おいしいっ」とか言いながらばくばく食ってるし(笑)。
 彼はヤギだから守られるものなのか? 決して、作品全体を通してはそうは語っていないように思えるんだけどな…。

 私がこの作品の中で一番、おおっと思ったのは、狼たちがヤギを狩るために草原に出たとき、足元の小さな花を踏みつけそうになって、慌てて避けるところです(この狼はガブじゃないです)。「踏むなよ」みたいなことを周りに言っていて、そしてそれが守られているのがおかしかった。
 クローバーを食べていたヤギさんなら、この花も食べたかもね。
 そういうちぐはぐ感がもうすこしはっきり出てくれていたらよかったのになと思います。


 ちなみに、いわゆる「最終巻」にあたる部分。
 ガブがメイとはぐれた後、再会するまでのお話は、私的には…いらなかったかな…。
 悲恋とかが好きなわけじゃないんですが、記憶喪失だったりするところが蛇足っぽくて。
 ただ、「狼が来たぞー」っといって周囲が逃げる森、その科白でガブの存在に気づくメイ。
 あんなに必死な思いをして乗り越えてきた緑の森でも、狼は忌まれる存在だったということを、彼らはこれからどうやって乗り越えてゆくのでしょう。
 そちらのほうが、少し、気になったのでした。

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