●ギンギラ太陽’sの公演に行ってきました
被り物劇団です。
公式サイト↓
http://www.gingira.com/
今回の作品は天神開拓史。
すべてのキャラクターは建物擬人化で、ニンゲンは出てきません。
一面の畑だった天神に、明治時代に西鉄(の前身の会社)が電車を引き、戦争を乗り越えて今の天神になるまでを描いています。
実は結構コアなファン層を抱えているらしい。
地元劇団では珍しく1週間とかのロングラン?公演をやるところだったのですが、このたびなんと西鉄生誕100年記念事業の一環で、西鉄ホールにて1ヶ月のロングラン公演!
でも、1ヶ月公演ってだめですね…時間があると思って忘れてしまいます。
11月3日までの公演で、私が部屋の整理をしていてチラシを発見したのは24日の夜中。
11月1~3日は出張のため、土曜日しかない。友達に連絡を取って、25日に無理やり行ってきました。
キャラクターは確かに被り物なんだけど、作品はものすごくきっちり調査がしてあり、作りこまれています。
西日本鉄道は、5つの会社が合併したのですが、どういう名前でどういう業務をしていた会社が合併したのか、とか、それらの会社の黒字路線を国鉄が取り上げてしまったからとか、きちんと書いてあるのです。
作品の主役?はソラリアデビル。
天神に、西鉄が作ったソラリアステージ+アルファのでっかいビルで、とっても「オレサマ」な性格。
天神が駅を南に立て替えたおかげで、天神南部の商業施設は生き返り、天神北部は廃れています。
ソラリアデビルは天神北部のマツヤやダイエーのあたりを北天神ゾンビ軍団と呼んでいたり。
倒産して今はない「玉屋」はきっぷのいい姐さんとして登場、博多の町を支えてきた誇りを語ったり(しかし、「現代」にはいないので、「川端商店街」が「玉屋」姐さんの遺影を持って登場)。
すごく面白いし何気なく反戦な演劇です。
(商業施設が倒産しそう、配給が厳しくなったといいながら、どんどんぼろぼろになっていき、天神は荒れ野原になったという描写まで出てくるのです)
最後のカーテンコールで、主宰の大塚ムネト氏が出てきて衝撃的な発言を。
「ギンギラ太陽’sは今年で11年目。ギンギラはこれからも地元にしか分からない作品を作っていきます!(天神開拓史は、ギンギラの基本モチーフなので)この作品は10年間やっていますが、どこにも許可は取っていません!文句を言われたこともございません!かえって、店のイベントに呼んでいただいています!」
いや~太っ腹だな!
何しろマツヤはゾンビ軍団呼ばわり。
大丸はタカビーなおばさま、エルガーラは世間知らずっぽいお嬢様。
ソラリア”デ”ビルは自分のことしか考えないわがままぼっちゃん、あげくに西鉄バス軍団は「幅寄せ上等!」の市内を我が物顔に走り回る偉そうなやつら。
最近開業して苦戦している地下鉄七隈線は、ボロボロになって西鉄バス軍団にばかにされてるし。
まあ、クレームつけたってほんとのことだからしょうがないんですが(笑)。
それくらい、脚本の下調べがきちんとできていて、(詳しく知らない部分もあるんですが)歴史上間違ったことはやっていないんだと思います。
さらに、そんなわがままぼっちゃんなソラリア”デ”ビルのなかにある西鉄ホールで、西鉄開業100周年として1ヶ月のロングランをやっちゃうし。
見て損はないと思います。
但し気になるのは、なくなった玉屋の話とか、うーん、30前後くらいまでの人にしかわからないネタになってくるんだろうなあ…という感じです。
11月末には、池袋で新幹線をテーマに公演をするらしい。
ちょうど上京するので…と行ってみたくなっちゃうじゃないですか…。