2005年7月19日

●女子バレーボール ワールドグランプリ2005

 大会が全部終わってから書こうと思ってましたー!
 決勝に進むのは決まっていたので、予選はどう選手を使うかとかそういう実験的なものになるかな、と思っていたので。
 うーん、だけどほぼ全試合ゴールデンタイムでの放送っていうプレッシャーがあったのかな。「勝ち」を狙いすぎてる感がしました。
 もちろん勝つことは重要だし、選手の自信にもなるし、視聴率とかバレーボール人気とか、いろんなものが絡んでくるとは思うんですけど。
 交代するポジションはレフトだけという感じ(しかも高橋選手は固定)。
 もうちょっと、選抜したほかの選手を使ってもいいんじゃないかなと。
 ただ、センター線はもともと層の厚い感があったので、控えがセッター1、ライト1、レフト1、センター2という構成はいかがなものかと…。センターはトスあわせとかの関係もあって、わりと不動な感じだから、レフトをもう一人入れておけば…とちょっとだけ思ったのです(素人考えですが)。
 ワンポイント起用で結果を残せる選手というのは、なかなかいないですよね。
 あと、今回、すごくつらそうだなと思ったのが大友選手。
 いきなりセンターからライトにコンバートされて、試合フル出場。リベロ制度が定着してからの選手だし、センター歴が長いからあまりバックで守ったことも多くないだろうし、攻めかたも全然違う。疲れがいつもより溜まるのも当然だろうなと思いました。
 大友選手の良さって、センターでこそ生きると思うんだけど…センター層が厚いし、ライトに適任がいなかったからなのかな…。
  今回は粘りのバレーで、面白かったのだけれど、やっぱり「打ち抜ける」タイプのパワーの選手が一人はいたほうが見ていて安心するなあ。
 高橋選手のベストスコアラー1位。言われるまでそんなに点を取ってるなんて気づかなかった…。元々、着実にブロックアウトとったり切返しを狙ったりする器用な選手なんだけど、それだけに目立たない感じがあります。守備力もあるし、うまさもあるんだけど…今までは波のある選手という印象が強かったので(よく手を抜いてるって言われますね・笑)今回は、大黒柱的なところで頑張っていたなあと。
 試合で手を抜けるって言うのは緩急ついていいと思うんだけど(かつてサーブ権のポイント制のときガイチがよくやってたらしい)、今回はいっぱいいっぱいすぎましたね…。
 さて、次はあんまり重要視されていないグランドチャンピオンズカップですが、選手構成をどう変えてくるのかが楽しみです。 大山・木村・栗原の3人は腰痛から回復できてるのかな…。大山選手は椎間板ヘルニアと聞いたので、養生して大事にして欲しいです。活躍は見たいけど、来年は世界選手権もあるし。

2005年7月18日

●姑獲鳥の夏

 わりと映画を見逃してしまう私ですが、今回は封切り2日目に見に行きました!
 映画化の記事を見てキャスティングを見て、えええええーっ!?と思ったのですが、見てみると意外にはまっておりました。
 デビュー作以降、リアルタイムで途中まで追っかけていたので、結構イメージが固まっていたのです。
 中でも違う、と思っていたのは「榎木津」。
 薔薇十字探偵社を開き、財閥の御曹司でちょっと奇抜な行動をして、「いくぞ関君!」なんてちょっとコミカルに話すところなんて、「綺麗系」を想像してしまうではないですか。それが阿部寛。うーん。いや、阿部さんは好きなのです。トリッキーな役どころがすごくはまると思う。(TRICKや最後の弁護人が好き)でもエノさんではないのー!っと思っていたのですが、映画を見たら、エノさんだった。(笑)
 えーと、とりあえず前置きはともかくキャスティングの妙から。
 いや、よく考えたなーと思います。すっきりと、浮いている人はなし。
 関口巽…永瀬正敏。関君のうだつのあがらなさや繊細なところ、恐慌状態に陥ったときの演技のうまさがすごい。キャスティングの写真を見ただけで、あーはまってる、って感じ。
 京極堂…堤真一。イメージよりもちょっと骨太。小説よりも些細なところで人間くささが出ている。長科白の多さに、さすがにちょっと舌噛み気味な面はあったけどさすがの迫力と存在感。
 榎木津… 登場シーンがいい感じです。時代設定からいくとはまりづらい長身を、うまく登場シーンでカバーしたと思う。カメラが衝立の手前にあって、手前で話していた関君たちを写していて、衝立の向こうのドアが開き、エノさんの声がする。関君たちがそちらに目を向けると、衝立の上にエノさんの顔上半分が出ていると言う。顔が濃い(笑)のでインパクト抜群。トリッキーな役どころが似合うと思ったとおり、観客から見た意味不明な言動を納得させてしまう存在感と演技センスがあると思う。但し、「ほとんど見えない左目で、見えないものを見る」という設定は、あんまり生かされていない。(これは役者のせいじゃないと思うけど)
 木場修…宮迫博之。考えたら木場修、映画の中で名前呼ばれてないかも…?これも骨太すぎた感アリ。柄の悪い刑事という役どころや、演技は良かったと思うのだけれど、ちょっとイメージが違いすぎて混乱気味でした。
 中心の4人だけ拾ってみましたが、あと忘れてはいけないのが「ザクロ」。京極堂が飼っている猫です(笑)。
 すごくかわいい(笑)。
 で、これは意図したものなのか…?という演技をする(笑)。京極堂…(家のほう)で、京極堂と関君が話をしていてちょっと間が空いたところで、部屋の端にいたザクロがにゃーん、といって廊下に出て行ってしまうとか、関君が京極堂に畳み掛けるように話されて混乱しているところの背後で(画面には映らず)にゃーんと鳴くとか。それから眩暈坂という坂を関君がふらふらしながら下りていって絶対途中でよろめくのですが(笑)、いろいろ混乱しているところに塀の上でにゃーんと鳴くとか。
 助演●優賞獲れるよアンタ!という感じです(笑)。
 えーと、で、本編ですが……。
 オープニングからこだわりのスタート。
 京極堂のイメージを大事にしているなーという印象。
 ただし、昭和初期の写真のスライドショー的な使い方はちょっぴりうっとうしい。あんまり写真を取り替えないほうが良かったんじゃないかなあ。
 あとは、特異な感じのカメラワーク。非常に演劇的。
 この話自体が、関君の一人称的視点をうまく使って仕上げているのでこうでもしないと難しいんでしょうが…。いきなり登場人物にピンスポット(その名の通り…)当てるのはちょっと勘弁してください…。
 手法なんでしょうけど、下からスポット当てると、下のほうがぼけるいわゆる暗闇で懐中電灯使ったお化けごっこ的になりますよね。そっちのが良かったなあ。だって、スポットの丸フチがきっちり出てるからなんだか微妙で。強いライトが当たってるところと当たってないところの境目ってちょっと虹色みたいな色の違いが出るのですが、それさえもばっちり。なんか変。 あとは、エノさんの特殊技能かな。
 左目で、普通には見えないものを見る。これをフラッシュバックとして処理するとやっぱ変。
 映画でも基本は関君の一人称なんだけど、それは小説を読んで映画を見ないとわからない。その程度にしか一人称は強調されていなくて、だからエノさんがそれっぽい言動をして、関君が影響を受けてそれっぽい映像をフラッシュバックみたいに見るんだけど、観客にはあれはエノさんの映像として見えていると思うんだな。だから、中盤でエノさんが毒気に当たられたっぽくなったとき、唐突過ぎてわからない。
 小説を最後に読み返したのも5年位前だから、記憶が定かでないところはあるのですが…、エノさんの言動は常に突飛で、だからこそその中盤での唐突さが生きてきたと思うのですが…うーん。
 そして、これは作中あまり重要ではないので仕方ないですが、左目があまり見えない演技は、してなかったなあ。それなら、なんどもキィワードとして出さなくて良いのにな…。見えないものを見ると言いたい為に出したのだろうけど。
 音楽は良い感じ。イメージには合っていました。
 基本的に、ストーリーは知っているので(5年前の記憶だけど)、細部を見た感じですね。
 途中で出てくる妖怪の絵は京極さんが描いたのかなあとか、登場人物の持ってるメモ帳の文字が見たかったりとか(笑)。
 そういうふうに細部を楽しんだり、あそこをこうやるか!見たいな部分で面白がらなければ、うーん、いわゆるハリーポッター映画版をはじめて見たときのフラストレーションみたいなのが溜まると思います。(わかりにくいな…) 根本的にこのお話は、「語り手がアンタじゃなかったら100枚くらい(原稿用紙換算)で終わるよ関君…」なのですが、視点が関君である以上、彼が心中でうだーうだーうだーうだー悩んでいる中にヒントがあったりもするので、その辺、すぱっと切られちゃうと唐突すぎ。
 正直、上映時間を見たとき「短っ!」と思ったのですが、別の意味で、「あー関君のうだうだをカットしたらこれだけ短くなるのかー」とも思ったのです。
 違ったんだなー。関君のうだうだにはちゃんと意味があったのです。カットされてはじめてわかる大切さですね。(苦笑)

 以下は、微妙なネタバレ有ですのでご注意を。

 最後に、気になった点をいくつか。
・久遠寺医院にいきなり暴徒が押しかけてきたのですが…。子供が3人消えている、カストリ(カルト)雑誌に子供の神隠し?記事が載って、まー、現代も同じですが、出て行けと張り紙を貼られたりしている。でも、それで門を打ち破るほどの暴徒が入ってくる理由になるのか?投石くらいで終わりそうだと思うんだけどな。・久遠寺医院、最後さりげなく火を掛けられるのですが…「とうちゃんが仇とってやるからなー」はわかるけど、軽く扱われすぎ…。暴徒が押し入ってきて、その放火犯(名前忘れた)が扇動して軽トラで乗り付けて、で、いつのまにか暴徒はいなくなって、放火犯が灯油まいて火をつける…。重要じゃないんだけどさ、ストーリー展開的には。館が炎上したほうが映えるよねっていう程度の感想でした、見る側には。
・京極堂……なぜ夜だけ神社にいるの?そしてなぜ「氏子でも禰宜でもない者を中には入れられん」と冷たく言うお堂内で手枕して寝転がっている。(笑)
・京極堂のちょっとした愛妻家ぶり?関君が京極堂の家で夕飯を食べていたところ、奥さんがいなくて妹が食事の支度をしていた。関君が「愛想をつかされたのか?」と聞くと、いきなりちょっとむっとして「なんで君が愛想をつかされんのにうちのが愛想を尽かすんだ!」とむきになる(笑)。その通りだ。そして関君の奥さん役は篠原涼子。美人で気立てがよさそうだ。何日も友人宅(京極堂)に泊り込んで帰ってこないわ、そんな美人な奥さんがいるのに一目ぼれ?して惑乱されて友人一同を振り回す事件の渦中に突っ込んでいく旦那にくらべれば、古本屋で神主で拝み屋なくらいなんでもないだろう。(笑)
・そして出てたよ、京極さん(原作者)! なんかねー、怪しい役どころだとは思っていたのです。ビン底めがねで飛行機乗るときみたいなゴーグルのついた頭頂部の尖った感じの帽子をかぶってて。京極堂に妖怪講釈をさせたりするにはいいんだけど、そこ重要?てくらい長かったので、うーんと思っていたのです。それが、ラストで紙芝居屋が久遠寺医院の怪の紙芝居を終えた後(ていうか子供に見せる中身じゃないよなと思うくらいリアルで怖かった)、出てきた次の作が「墓場の鬼太郎」だったので、あれ水木しげるか!!!とわかって、京極堂に憑き物落とされたときよりすっきり感があったのですが、ラストのキャスティング見てさらにやられた!!と。
 科白も多かったし登場時間も長かったからわかんなかった…(普通は逆だな)。なんか、京極さんは和服で涼やかなイメージがあったので…。私の記憶5年位前で止まってるし…。いやでも直木賞のときの映像はあまりイメージ違わなかったのですが……役作りがうまかったってことかしら。

 えーーーーと、とりあえず、この作品の細部はさておいたトータル的な感想は、随所で笑わせてもらったというか。やっぱり小説見てない人はフラストレーションが溜まりそうだし、見てる人はむずむずするものを感じるだろうし。だけど作品の世界観は壊していないし、役者はうまい人を揃えたと思うしで悪くなかったと思います。
 もう一回見るかと言われたら首を振るけど。
 作品の時代設定上しようがないのかもしれませんが、ちょっと「えぐさ」を感じる気持ちの悪さがあるので、夜一人で見るのはお勧めしません。ホラーと言うよりはサイコ?でもそういうのとも違う生理的嫌悪感を煽る演出がある…と私には感じましたが…男性はどうだろう。私の深読みな連想し過ぎかも。
 ちなみに、エンドロールは最後までちゃんと見ること。
 最後の最後にきっちり笑わせてくれます。個人的にはアレは無いほうが良かったな。

2005年7月17日

●真夜中の弥次さん喜多さん

 ブームに遅ればせながら、リバイバルでやってる映画館に見に行ってきました。
 原作は読んでいないのですが、同作をもとにしたお芝居を前に見ているので、ちょっと先入観めいたものがありました。
 さて、全体の印象。 まーうまくつくったものねー。
 はちゃめちゃ感というか、原作のはじけた内容がよく出ていた印象。
 全国公開でしかもジャニーズの人を主演に据えて、きっちりヤク中をあそこまで表現するとは(というかそれがないとこのお話進まないんですが)思わなかったので、すごいなあと。
 しょっぱなから注射器出てきますからね! しかし、注射のほうやってるわりに、途中からいきなりカプセルになるんだよね。
 なんでもいいのか?
 そういうものなのか?
 その辺、私はやったことないのでわかりませんが(苦笑)、静脈注射や粘膜吸引までいった人は、飲むやつだと効きにくいとかそんな話が…どこかで…。
 風呂敷のたたみ方は、強引だけどまあまで、なるほどね、というふうに思わされる出来でしたが、こちらも表現が演劇的。
 ポイントポイントにつくまでの道中ははしょって、「○○の宿」っていうふうに間区切りが入るのは、映画としてアリなのか?? 
 出演者は、長瀬智也と中村七之助。ふたりとも演技に不安があったのですが、よくはまってました。アテ書きしたのかなと思ったくらい。
 あと、ラストあたりに弥次さんの奥さんが出るのですが、これが小池栄子だということに、ホントにずーっと気づかなかった…そしてでてきたらさすがの存在感とボリュームと迫力で(笑)明らかに周りを圧倒していた(笑)。
 あとは、さりげなく、勘三郎さんが出ていてちょっと笑った。
 喜多さんがとちゅうで歌舞伎っぽく見栄を切るシーンがあるのですがそれが下手だったのがちょっと…。仮にも歌舞伎役者なんだから…と心中で突っ込みを入れてしまいました。七之助さん本人も立役一本(男役オンリー)を希望してるらしいのに…。数年前の情報なので今はどうだかわからないけど…。
 細部つっこみ?でいくと…喜多さんに生えたキノコが気持ち悪かった。そしてキノコをぶちっととった痕が妙にリアルでいやだった…とかそんな感じ?
 あんまり突っ込みたいと思わせる部分が残りませんでした…。よいことなのやらどうなのやら…。
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