もしも高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
岩崎夏海
なんだかやたらと本屋で並んでいるのでつい手を伸ばしました。
ダイヤモンド社の本ですが、タイトルに入っているドラッカーのマネジメントは同じ出版社のもの。
女子高生が野球部なマネージャーになり、マネジメントを勉強しようとして表題の本を読むというストーリーです。
書いてあることを真面目に実行していき、最適な組織マネジメントを実施することにより、野球部が強豪高校を打ち破って甲子園にいくという筋立て。
中身がドラッカーの思うとおりかはさておき、全くの初心者が取り組むには面白い本でした。
読み終わった後、なにか分かった気分になります。
アマゾンの書評なんかを読んで心配だったのは、表紙と同じように、文章もライトノベル風味ということでした。
文章は、うーん確かにうまくはなく、作文レベルという感じ。
代名詞は使わず、
〜〜は、〜〜した。
という文章が多い。
でも心配したほどじゃなくて、読んでいるうちになれてきました。
内容は、ストーリーがいわゆる『トンデモ』に入ることを除けば、マネジメント入門としてはとても良い本です。
野球部の部員に合わせて、野球は下手だけどマネジメントはうまい部員や野球がうまく取り纏めもうまいけど、部長職を負担に思っていたりなど、人数の多さでミッションと能力がマッチングしていないキャラクターを作りうまく配置しています。
なので、マネジメントって何?、と思う人には取っ付きやすい本ですね。
部屋の整理をして大量の本を売り払いました。
売るとなると楽しくなっていろいろ探しだし、押し入れの奥のほうからも見つけました。
結果がこのダンボールの山。
持ってた本が半分くらいにはなった、かなあ。
でも、ブックオフの出張買い取りが2箱くらい置いていっちゃったんだけど。
時間が合わなくて、母に立ち会って貰ったところ、売上?が9000円くらいあって、それにびっくりして冊数忘れたそうな。
いやいや、数百冊売って9000円という安さにびっくりしてくださいお母さん。
そんなものだと思うけど。
なので、何冊売ったのかは不明ですー。
世界一やさしい会計の本です
山田真哉
さおだけ屋はなぜ潰れないのか
の作者さんのかいた本です。
女子大生会計士の事件簿や会計探偵クラブ
のほうが今は有名かも。
内容は、女子大生会計士シリーズの短編を間に挟みつつ、参考書っぽいつくりです。
会計には4つの箱があり、資産、資金源、投資、成果をそれぞれ木や水、火と金に例えているのはさすが。
たぶん誰もがしっている自動車BIG3、トヨタ、日産、ホンダを例に資本金率などにも触れています。
これを読んでいると、財務諸表の右と左が釣り合う理由、なんてのもわかってきます。
本当に初心者向けでちょうど良いです。
問題といえば、これは新装版らしいのですが、表紙に反して中のイラストがちょっと…ロリっぽいというか、イマイチ。
ほかのイラストレーターはいなかったのかしら、と思ってしまいました。
これを読むであろう年齢層にはきつい感じのイラストです。
Lucky Break
John Escott
PenguinReadersという英語学習者向けの本のEasyStartクラス。
つまり超初心者向け。
巻末には英英辞書もどきもついています。
EasyStartは、Headword(使用単語)が200語に限定されているので、200語の使いまわしで物語が書かれます。
全体の単語数は720語。
多読ガイドでは目指せ100万語なのですが、まあ千里の道も一歩から(笑)。
内容は、タイトルを訳せば「幸運な骨折」っていうところかな。
主人公がフットボールで足の骨を折って、ちょっとしたトラブルがあったけど大団円。
アメコミ風の絵がついていて、冊子を開いた印象では上3分の2がイラスト、下が英語で絵日記風味。
このため単語(名詞)がわからなくても、それなりに内容がわかります。
このそれなりにわかる、っていうのが大事らしい。その推測が脳みそに残っていて、単語を覚えるのに繋がるのだそうです。
なので、難しい本や長い本を一生懸命読むよりも、1千語くらいの本を10冊20冊読んだほうが効果が高いらしい。
このマンガがすごい! 2010
で賞を取ったそうです。
ふらりと立ち寄った本屋さんで、試し読み可!っていって1巻の一部が読めるようになっていました。まんまと乗せられる私。
チャンピオンコミックスはヤンキー系のイメージが強かったのでちょっとためらったものの、いざ読んでみると面白い!のです。
主人公はアニメオタク。
高校に入学してアニ研に入ろうと思っていたが、部員不足でアニ研は休部中。他に入部希望者がいれば再開できるのですが、中学校時代に「アニオタださ~い」的な扱いを受けていた主人公には、入ったばかりの高校でアニ研募集の声を掛ける勇気が出ません。
...と書くと、ものすごいアニオタマンガっぽいのですが、アニオタが関係するのはここくらいまで。
アニオタらしく常時金欠の主人公は、毎週秋葉原へ買い物に行くのですが、一円でも多くアニメグッズにつぎ込むため、片道50キロ近い道のりを、自転車で往復していました。
なので、坂道も遠距離も彼には苦にならない。高校はものすごい坂の上にあるのですが、それを笑顔で上る主人公をみて、自転車競技部にスカウトされるのです。(といっても別に熱烈なものではないのですが、入らないか、くらいで友達の少なかった彼にとっては大事件です)
完全な素人なのに、持久力と坂を上るためのスキルを持っている主人公が、新しいひとつひとつのルールやコツを覚えて成長します。
さらに、人にやさしくされることになれていないので、少し親切にされただけで舞い上がってしまう微妙に心の痛いシーンもあります(それが主眼ではないのだけれど、作者的には書いていきたいテーマかと)。
このあたりは、アフタヌーンコミックスの「おおきく振りかぶって」に近いものを感じますが。
そしてキャラのネーミングはベタベタ(主人公の下の名前はまんま「坂道(さかみち)」、ライバル?は「山岳(さんがく)」など)で、少年誌っぽさを感じつつ。
2巻くらいから出てきた先輩方は「テニスの王子様」の濃ゆさを感じます。
作者さんは、打ち切りや突発的な企画潰しなど大変な経験をされているようなので、ちょっと迎合ぎみなのかな?と思いつつ、ストーリーや設定はそんなにトンデモではなく、微妙にホロリとさせてみたりして、結構いい感じの本だったりします。
1巻をお正月に買い、(自制心から、一度に2~3巻勝ったりはしない主義なので...まあ、JR乗る前に3巻買ってJRの中で読んじゃって、家の近くの本屋で4巻買って帰ったりはするけども)気がついたら9巻まで揃えてしまっていました。
あら不思議。
ていうか、本ゲル係数...今月から算出しようかと思っているのですが、怖いです。
戦う司書と恋する爆弾/山形石雄
スーパーダッシュ文庫。
賞を受賞したデビュー作品。
直しが入っているかはわかりませんが、秀逸なつくりです。
言い切ることはできないけれど、登場人物は手駒と割り切って配置してあり、このジャンルの話に珍しくキャラ萌えがない。(笑)
ヒットして続いているようなので、2作目以降は少し心配。
文章は少し湿っぽいのに登場人物の扱いがドライだから、ビミョーなバランスを保っているのかな。
とりあえず、最後までのスピード巻はすごいし、死ぬとひとは本になる→硝子のような物体で、触れるとそのひとの人生が読み取れるという発想がすごい。
ちょっとトンデモ設定で、お話に破綻がないわけでもないのに開き直るというより疾走感で突っ切る感じです。
この、本、から司書に繋がるわけですが。
お話的には本でなくても言い訳だし、魂水晶とか、そんなネーミングで十分なわけですが、そこで本にしたところに心意気があるわけです(笑)。
この世界で文字を書き付けた紙の束をなんというのかとか、突っ込みたい気持ち満々ですが、何気に気にいって2巻めを買ってしまいました。
続きはまだまだいっぱいでている様子です楽しみだ。
華中華/西ゆうじ
いっぱい書いたのにうっかり消えました......。
なんか飛んでるきがする、とおもいつつ、買ってみたところやっぱり何巻か飛ばしたっぽい。
でもさすがにビッグコミックです。毎回欠かさず買うお客が少ないとわかっているのか、どの話から読んでもそれなりに話がわかります。
ちなみに、少しはお話は進んでいる様子です。
田舎から大叔父の経営する横浜の有名な中華料理店に修業にきたはずが、すでに代替わりしていて面識のないオーナーに。
下働き状態で大した修業はできない。ふとしたことから、小さなお店で昼間チャーハンのみを出すというお店の手伝いを始める。
基本は、そのお店に出すチャーハンのメニューとそれにまつわるストーリー。
最後にはチャーハンのレシピもついてきます。
なぜか幽霊の楊貴妃も出てきます。
ストーリーに絡みそうで絡まない、不思議なキャラクターです。(笑)
最近は狂言回しというか、場面転換の視点としての役割が増えているようです。